原発事故などの影響により昨年から電力不足が懸念されていますが、このことで省エネ効果の高いLEDライトが注目されています。名城大学発のベンチャー企業は、名古屋大学の研究成果を元に、LED基板の表面に蛾の目=モスアイの構造を加工して、明るさを従来の2倍にする技術の開発に成功しました。
動画の説明によると、現在のLEDでは発光によって生み出された40%~50%もの光が、基盤表面で内側に反射されてしまい熱となって消滅してしまいます。しかし、1万分の1mmという微細な突起が並ぶ蛾の目の構造「モスアイ構造」を利用することで、反射による光の損失が抑えられ、従来の2倍の明るさを実現できるといいます。また、どんなLEDにも搭載可能な技術なため広い範囲での市場も期待できそうです。
大学で開発されたこの技術は、今後、ベンチャー企業によって製品化される見通しで、2012年中頃までに評価を終え、2013年には量産することを目指しています。また、現時点でも投資家からの評価は高く、これまでには公的な開発資金や個人投資家からの投資で開発を進めてきました。
この研究内容を見る限り、かなり広範囲で利用できる技術であるため、いろんな分野への応用も期待できそうです。また、
アレックス・タバロックが語る「アイデアはいかにして危機を乗り越えるか」でもご紹介したとおり、大きな市場は大きなインセンティブを生み出すため、今回の産学連携で大きな利益を上げられれば、大学と民間企業の提携を進めるきっかけにもなりそうですね。