高性能カメラをはじめとした高額な機材は、映画を撮影する上で一番のネックとなっていました。しかし、そういった問題も今後はスマートフォン1つで解決するかもしれません。
スマートフォンで撮影された世界初の長編映画「Olive(オリーブ)」が、今週アメリカ・サンタモニカのNuart劇場で公開されその完成度が話題となっています。スマートフォンを使うこの方法を用いれば、低価格で映画を作成することも夢ではありません。
「Olive(オリーブ)」の冒頭5分間の映像
「Olive(オリーブ)」は、フーマン・ハリーリ(Hooman Khalili)さんがはじめて手掛けた映画で、高性能のスマートフォン「ノキア N8」と高解像カメラを組み合わせて撮影されました。
このプロジェクトには50万ドル(約3850万円)の予算が組まれたそうで、映画としてみれば非常に安価な制作費といえます。プロジェクトに出資したのは、シリコンバレーの弁護士やフェイスブックの元役員などで、質の高いコンテンツを低価格で作成することを目的としてスマートフォンを使った撮影方法を試みられました。
これら方法によって安価に映画が撮影されるようになれば、これまで映画業界を牛耳っていたスタジオの影響力は弱まり、映画産業自体が大きく変化する可能性があるといいます。
このプロジェクトにはフェイスブック出身者などが多く関わっているそうで、今後の映画のあり方にフェイスブックが一石投じる恰好となっています。
撮影には22日間、編集に3ヶ月という短い期間で完成したこの「Olive(オリーブ)」。映像の鮮明さや素朴な風合いを見れば、スマートフォンで撮影されたとは思えない出来栄えです。
これまで、大きな資本を持った人間にしか出来なかったことが、技術の進歩によって資本を持たない人にも出来るようになるのかもしれません。