リビアの国民評議会は20日、42年にわたって最高指導者だったカダフィ大佐が中部シルテ付近の潜伏先で拘束され負傷が原因で死亡したと、中東の衛星テレビ、アルジャジーラを通じて伝えた。トリポリは祝賀ムードに包まれており、報道が真実ならリビア情勢が内戦の収束に向けて大きくしそうだ。
アルジャジーラは、携帯電話で撮影された血まみれのカダフィ大佐らしき人物の映像を報道したが、この映像の人物がカダフィ大佐であるとの正式な確認はとれていないという。カダフィ大佐は政権崩壊後、行方が分からなくなっていた。
今月17日には、リビアの新政権づくりを目指す国民評議会が、カダフィ大佐の支持派が抵抗を続けていた最後の拠点の1つ、バニワリドを制圧したと発表していた。バニワリドの制圧により、国民評議会の部隊はカダフィ大佐の出身地シルトに兵力を集中させるとしていた。
シルト攻略でカダフィ大佐派の掌握地域がなくなったため、今後、国民評議会は「全土制圧」の宣言後、暫定政府の樹立や議会選挙の実施など民主化への動きを加速させる見込みだ。
また、カダフィ大佐の死亡が本当なら、民主化への動きを見せる他のアラブ地域へも大きな影響を与えそうだ。