弁護士というとスーツ姿に古臭い髪型というものが一般的ですが、弁護士、政治家として活躍する橋下徹さんは、弁護士時代に茶髪やサングラスが弁護士としては奇抜な恰好として話題になっていました。
しかし世界には、彼を上回る恰好をしたファンキーでエキセントリックな弁護士が存在しました。その人物とは、モヒカンにピアス、革のパンツを穿きこなす弁護士パトリック・ブライスバード(Patrick Brysbaert)さんです。
20年前、そのあたりにいる平凡な弁護士と同じように古典的なスーツ姿だったブライスバードさんは、仕事に退屈するあまりパートナーと決別し仕事を辞めてしまいました。ブライスバードさんが次に始めたのは、ベルギー・アントワープでカフェを経営することでした。
このカフェ経営で”真の解放”を感じたブライスバードさんは、刺青やピアスを次々と施し、モホーク族に倣って髪型をモヒカンにしました。
カフェ経営でさまざまな人に出会うことに幸せを感じていましたが、一方で法律の世界に未練を感じていたブライスバードさんは、10年前に弁護士に復帰すること決意します。しかし、54歳のブライスバードさんにとっても、ファンキーな姿で弁護士をすることには多くの困難があったといいます。それはモヒカン姿で裁判長の前に立つことを想像すれば容易に分かります。
しかし、弁護士の同僚やクライアントの多くはブライスバードさんの姿を認めてくれるようになったといいます。
現在、ブライスバードさんのクライアントには、あらゆる種類の人々が集まってきているといい、ブライスバードさんの仕事ぶりにも満足しているといいます。
エキセントリックな恰好をしているブライスバードさんですが、他の弁護士の多くはスーツを着るべきだと考えています。しかし一方で、自分のような恰好でも認められるように少しづつでも変化して欲しいと思っているともいいます。
ブライスバードさんは「弁護士は、自分のローブの中をあえて見せる必要があります。たとえ私のように少し変わっている人間でも、私たちは社会全体を表すものだから」と語ります。
自分自身を姿で、社会の多様性を示すなんてカッコよすぎますね。ブライスバードさんは、姿だけにとらわれず人間を評価できる社会になることを望んでいるのかもしれません。