「コンプリートガチャ(コンプガチャ)」は違法懸賞との見解から消費者庁が中止要請をすると報道されていたディー・エヌ・エーとグリーですが、報道の影響が出たようです。
5月7日の東京株式市場で、携帯電話を通じたゲーム事業を展開しているグリー<3632>やディー・エヌ・エー<2432>の株価が急落しました。交流型ゲームの新商法「コンプリートガチャ(コンプガチャ)」について、消費者庁が近く景品表示法に抵触するとの判断を下す見通しと伝わり、売り注文が殺到しました。
コンプガチャは、ゲーム各社の収益源として期待が高かっただけに、収益悪化懸念が台頭しました。市場関係者からは「違法となれば、これまでに使った金額の返還を求められる可能性がある」(中堅証券)との声も上がっており、先行きの業績に対する警戒感が高まった格好です。
グリー株の終値は、連休前に比べ500円安の1651円、ディー株も同500円安の1990円と、いずれも値幅制限いっぱいとなるストップ安でした。
ネット上では、この仕組みについて知るという匿名の人物からは
「渋谷区にある某大手携帯ゲー会社から開発依頼を請けて仕事してる部署にいたことがあってガチャの仕組みを作ったことがあるけど、いつかはこうなると思っていた。
こちらは景表法に準拠した仕様を見積もりで提案したんだが、 某大手の携帯ゲー会社からの要望はおもくそ景表法に抵触していた。
「最初のN回は確率通りに懸賞させて、N回目以降はユーザがXX回分課金しないかぎりハズレのテーブルからアタリを引かせろ。課金がXX回分を超えたら元の確率に戻せ。」だと。
言われた通りに作って納品したが「こりゃぼろ儲けするはずだ」ってみんなで苦笑いしてたよ。
ガチャ規制に積極的な政治家がいるならに情報提供してもいいわ。 (引用ここまで)
という書き込みがありました。
不確かな情報ですが、もしこの書き込みどおりのことが行われていた場合、企業がペナルティを受けるだけでなくソーシャルゲームでの「ガチャ(確率によりアイテムが得られる仕組み)」自体が禁止される可能性も出てきそうです。
そうなれば、ソーシャルゲームによる収益の柱は広告や課金アイテムに限られるため、収益の悪化が予想されます。
携帯ゲームだけでなくインターネットゲーム全体に大きな影響を及ぼす可能性がある今回の問題。今後の消費者庁の対応によっては、問題の拡大が予想されます。