民主、自民、公明の3党は13日、違法にインターネットに配信されていると知っているのに音楽や映像などをダウンロードした場合に罰則を科す方針で大筋合意しました。
この法案は著作権保護の強化が狙いだと見られており、政府が3月に国会に提出した著作権法改正案には盛り込んでいませんでしたが、3党で罰則を明記した同法案の修正案を近く議員立法で提出するといいます。この法案は今国会で成立する見通しだといいます。
現行の著作権法は音楽や映像を著作権者の許諾なしにインターネットに投稿(アップロード)して配信する行為を処罰の対象としています。ただ、違法と知りながら利用者がダウンロードしても刑事罰がなかったため、音楽業界などが罰則を設けるよう求めていました。
修正案によると、違法なダウンロードに対し、「2年以下の懲役または200万円以下の罰金」を科すといいます。また、被害者の告訴がないと起訴できない親告罪とし、軽微な違反の摘発が乱発しないよう配慮しています。この法案は、2012年10月1日に施行する予定となっています。
政府が提出した著作権法改正案は、他人の著作物が偶然写り込んだ写真をブログに載せても著作権侵害とせず、許諾外利用として認めていました。この規定は修正案でも残すといいます。
もしこの法案が通れば、おそらくユーチューブやニコニコ動画に投稿されているコンテンツをダウンロード(見ている)だけで違法行為となりそうです。
今回の法改正は、音楽業界などが既得権益を守るために圧力をかけた末の結果のようで、この法案がそのまま通ればIT関連サービスの進歩も遅れることとなるといえます。
そもそも既存のシステムと異なるにも関わらず、インターネットを理解していない政治家が法律を決めることに問題がありそうです。アメリカでもPIPA(知的財産保護法案)やSOPA(オンライン海賊行為防止法)で大騒ぎとなりましたが、日本でも大騒ぎする必要があるのかもしれません。
ただ、今回の法改正では被害者の告訴がないと起訴できない親告罪であり、”違法と知っていてダウンロード”した場合に罰則があるという線引きが良く分からないものでもあります。そのため、実際に罰則を受ける人が出てくるのかや、そもそもどういったケースが違法となるのかが問題となりそうです。