認証システム「CAPTCHA」を作り変え、ユーザ入力で本の文字データ化に貢献できるようにした後、ルイス・フォン・アーンは膨大なインターネットユーザの小さな貢献を結集することで何か大きな目的を達成できるようなものが他にないかと考えました。TEDxCMUで彼は、何百万という人に外国語の学習をしてもらいつつ、ウェブの翻訳を素早く正確にタダでやってもらおうという、野心的な新しいプロジェクトDuolingoの紹介をしています。
ルイス・フォン・アーンは、認証システム「CAPTCHA」に費やされている時間を使って有意義なことをすることを提案します。その方法とは、大きな問題を細分化し、多くの人々の細切れの時間と労力を利用して解かせるというものです。
「CAPTCHA」で表示される文字に電子化できなかった本の一文を入力し、人間が認証作業をすることで電子化に貢献させるという仕組みです。そしてその量は1日に1億語、本に換算すると1年で250万冊分にもなるといいます。
現在では、ランダムに表示される言葉を使った「CAPTCHA」アートなるものも登場し、多くの人に楽しまれています。
また、これまでの人類の偉業には10万人の協力によって成し遂げられているといい、インターネットを使ってさらに多くの人々を協力させ、翻訳させるプロジェクトを進めています。それは、多くの人々に語学学習をさせることで、タダで翻訳作業をさせるというものです。
非常に面白いこの試みですが、この仕組みは生産消費者(プロシューマー)を使った生産消費そのものだといえます。今後、多くの人々に少しずつ生産を担わせる仕組みによって、大きな事業が進められるようになりそうです。