2011年に日本で開催された「TEDxSeeds 2011」での講演動画です。絶妙な無駄な動きの中に人間というものの性質が含まれているという平田オリザ。大阪大学教授の石黒浩が語る「人とアンドロイドとメディア」とはまた違った演劇の視点から「人間らしさ」について語ります。
平田オリザによると、ランダムな無駄な動きの中にこそ「人間らしさ」があるといいます。しかし、ロボットなどを使って科学的に「人間らしさ」を演出しようとしても、無駄が均質化することで「人間らしさ」を表現できないといいます。
また山下清の絵の素晴らしさを例に挙げて、普通の人間は現実の世界を統合的に受け止めているために本質を知覚できないが、それらの機能が失われている人間はその本質を知覚できるといいます。
そこから「人間らしさ」というものは数限られた要素しかなく、しかもそのほとんどがマイナスの要素を占めており、それをロボットに入れることの必要性があるのかが分からないといいます。
もしかすると人間の優れている点は、「完全さ」だけでなく同時に「不完全さ」も内包していることであり、だからこそ「不完全さ」によって「完全」を超えることが出来るのかもしれません。要するに、中庸っていうことですね。