作家の村上龍さんとエフエム東京社員の延江さんが、毎週時事について語っているRVR。今週は、以前中野剛志氏が語るTPP問題でもお伝えしたTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)の交渉に日本が参加したことについて語っています。
延江さんは今回のTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)について「未来への選択か?現状維持か?」つまり保護政策をとり続けるのか否かと言う風に表現します。また、このTPP参加がアメリカに通じると言われるのかと疑問を呈します。
それに対し村上さんは、参加国のGDP(国内総生産)から見ても事実上、アメリカとのFTA(自由貿易協定)だという人もいるといいます。さらに、持論として村上さんは「どっちでもいい」、延江さんは「消費者の利益となるから関税を下げるべきだ」といいます。加えて村上さんは、TPPの大きな問題はISD条項にあると指摘します。
さらに続けて村上さんは牛肉とオレンジの自由化を例に挙げて、「TPPに加わるとしても、関税の引き下げや農業がどうなるかはたいした問題ではない。」と言います。そこから原則的に、保護貿易よりも自由貿易の方が経済にとっては良いものだと主張します。ただ、TPPは自由貿易の方向ではあるが格差が拡大する可能性があり中小の弱い企業が潰れ”リセット”される可能性はあると言います。
村上さんの言うようにこれまでの歴史を見れば、自由貿易によって経済が活性化する可能性は大いにあります。ただ、これまでの大量生産大量消費社会から少量多品種生産社会への過渡期にある現在では、地元に根ざした中小企業にも海外の大資本に太刀打ちできるだけの可能性は十分にあるように思えます。マクドナルドでさえ、その土地に合わせた製品開発と販売方法をとっているのですから、海外の商品で国内の中小企業が淘汰されてしまうと考えるのは短絡的で単純すぎるように思えますね。