調査会社の米IDCは1日(現地時間)、2012年の第1四半期(1～3月)の世界のスマートフォン市場調査の結果を発表しました。韓国のサムスンがスマートフォン出荷台数でアップルを抜き、携帯電話全体でもノキアを抜いて1位となりました。
世界のスマートフォンの出荷台数は1億4490万台で、前年同期の42.5％増となりました。メーカー別のシェアでは、サムソンが4220万台を出荷してシェア29.1％を獲得。2011年第4四半期でトップだったアップルを抜いて1位に返り咲きました。2位のアップルは3510万台を出荷してシェア24.2％。2011年第4四半期はiPhone 4S効果でサムスンを僅差で上回りましたが、今回は5％もの差をつけられました。3位以下はノキア、RIM、HTCとなっていますが、シェアはいずれも一桁で、スマートフォンは完全にサムソンとアップルの2強に牛耳られているかたちとなっています。
携帯電話全体では、世界の出荷台数は3億9840万台で、昨年同期の1.5％減となりました。メーカー別シェアではサムスンが9380万台を出荷してシェア23.5％を獲得して1位となりました。2位は8270万台を出荷したノキアでシェアは20.8％。携帯電話の出荷台数では2004年以来、常にノキアが首位を守ってきましたが、ついにその座をサムスンに明け渡すことになりました。
サムスンは新コンセプトのGALAXY Noteが市場に受け入れられたのを始め、あらゆる製品が好調。スマートフォンではアップルに対抗できる唯一のメーカーでしたが、そのアップルさえも完全に抜き去った感があります。
アップルはこの四半期にiPhone 4Sの販売国を大幅に拡大し、そのいずれの市場でも好調な販売を記録しました。そのため四半期決算も極めて好調でしたが、それでもサムスンには及びませんでした。iPhone 4Sの後継となる新製品が登場間近と噂されており、これが発売されれば再びサムスンを逆転できる可能性が高そうです。
一方、携帯電話のトップの座から滑り落ちたノキアは独自開発のプラットホームSymbian OSからWindows Phoneへの切り替えに手間取っており、市場縮小に伴うフューチャーフォンの落ち込みと、開発終了によるSymbian OSの落ち込みのダブルパンチをWindows Phoneの販売でカバーすることができませんでした。同社は現在、工場閉鎖など大幅なリストラを進めています。
スマートフォン3位のRIMは独自のBlackBerryプラットフォームを採用し、かつては米市場でiPhoneと人気を二分する存在でしたが、Androidの人気などに押され、シェアを落とし続けています。今年後半に発売されるBlackBerry 10搭載端末に復活をかけています。
とうとうスマートフォンでも携帯電話でもサムスンが出荷台数で首位に立ちました。アップルとの法廷闘争や開発競争を含め、今後も両者のシェア争いは過熱しそうですね。
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