アフガニスタンの首都カブール北方パルワン州チャリカールで、不倫を疑われた女性が夫によって公開射殺されたことが大きな波紋を呼んでいます。動画では、大勢の男たちが見物する中、座らされた女性は至近距離から自動小銃AK-47の弾丸を数発受けて倒れ込み、死亡しました。
3分間の映像では、小高い丘に集まった男性約150人が見守る中、女性の夫である男がショールをかぶった女性を至近距離から繰り返し銃撃。放たれた10発の銃弾のうち7発が命中したようで、処刑を見届けた男性たちが、「神は偉大なり」「(射殺した夫は)イスラム教の英雄だ」と叫びながら実行者を称賛する様子が映し出されています。
州政府は処刑が8日前に行われたとし、反政府武装勢力タリバンの犯行だと非難。一方、タリバンの報道官は「本件に関する作戦の最新情報はない」として、処刑への関与を否定しています。
今回の事件について、内務省は「タリバンによるアフガン国民への残虐行為だ」と主張。同国に駐留する北大西洋条約機構(NATO)軍のジョン・アレン司令官(米軍)も、「言葉では言い表せない残虐行為」と断じました。
また、地元住民からの怒りの声も絶えず、42歳の男性は「必ず報復する。彼らの残虐性と非人道的行為が、タリバンを憎む最たる理由だ」と語気を強め、30歳の男性は「タリバンは恐怖を作り出し、テロを通して支配しようとしている」と批判しました。
アフガンでは2001年以前の旧タリバン政権時代に不倫などイスラム教に反する行為をした人物の公開処刑や、むち打ちが行われており、タリバンの勢力が強い地域では今も続いています。