高齢化社会が進む日本では、誰にも看取られずに亡くなる孤独死が社会問題となっています。そんな問題を解決するために、瀕死状態の人を死ぬまで摩り優しい言葉をかけて臨終を見届けてくれるロボットが開発されました。
この最後まで看取ってくれる臨終ロボット「End of Life Care Machine」は、アーティスト兼デザイナーのダン・チェンさんが開発したもの。チェンさんは、人間社会の支援はつながりが無くなり残酷な一方で、ロボットは信頼でき、慰めはプラシーボ効果があるといいます。
チェンさんはこれまでにも、抱きしめてくれるハグロボットなど、様々な愛情を機械化する作品を制作してきました。
臨終ロボットは、もう手の施しようの無い人間に使われるといい、医者が治療を止めて部屋を出るときに設置され、あとは臨終するまで患者を慰め続けます。設置されたロボットは、手を摩りながら優しい言葉をかけて患者を慰め、最後を看取ります。
このロボットは、これまでに病院へ配置されたことも使用されたこともないといいます。
チェンさんは、臨終ロボットが人間関係をロボットで代替できることを模索するものであると同時に、問題を提起するものだとしています。
ロボットが人間を看取ることが正しいのか間違っているのか分かりませんが、このまま人間同士のつながりが希薄になれば、将来、亡くなる人間をロボットが慰めるようになるかもしれませんね。