国の先進的な理科教育の支援を受けている茨城県立水戸第二高等学校の数理科学同好会が、水溶液の中で酸化と還元を繰り返す「BZ反応」の知られていなかった現象の研究を行い、その論文がアメリカの科学専門誌に掲載されました。
今回、アメリカの科学専門誌「ザ・ジャーナル・オブ・フィジカルケミストリーA」に掲載された研究の内容は、これまで知られていなかった「BZ反応」の現象の研究でした。
「BZ反応」とは、水溶液の中で酸化と還元を繰り返す化学振動反応のことで、これまではこの反応がやがて止まるとされていました。数理科学同好会は、この反応がどのように止まるのか5年にわたって研究を進めました。ところが2008年、ある濃度の水溶液は一度止まった化学振動反応が復活することを発見しました。
この謎の解明の研究は後輩へ引き継がれ、2009年の研究で振動が復活する濃度領域が特定され、振動が始まる条件が発見されました。
この研究成果を、2010年3月に日本物理学会のジュニアセッションで発表したところ、このとき審査員だったテキサス大学のトミオ・ペトロスキー上級研究員の目に留まり、アメリカの専門誌に投稿され掲載へと繋がりました。
当たり前と思われていた現象に目を付けて研究することで発見された今回の現象。フレッシュな高校生が研究したからこそ、発見できたのかもしれませんね。