以前、マリファナ、コカイン、モルヒネなどのいろんな薬物を摂取してから作成された自画像をご紹介しましたが、今回は同じ作者ブライアン・ルイス・サンダース氏がソラナックス、エビリファイ、ロラゼパムなどの薬物を摂取して描いた続編の自画像をご紹介します。
薬物による副作用で、描く絵にはどのような変化が起こるのでしょうか。身体を張った実験絵画をご覧ください。
アルプラゾラム(商品名:ソラナックス)
心身症(胃・十二指腸潰瘍、過敏性腸症候群、自律神経失調症)における身体症候ならびに不安・緊張・抑うつ・睡眠障害、パニック障害、強迫神経症にも応用されるベンゾジアゼピン系のマイナートランキライザー・抗不安薬。
アーティストのブライアン・ルイス・サンダース氏は、薬物の影響によって描写される自画像がどのように変化するのかを実験するために、自らさまざま薬物を摂取して自画像を描いています。これらの絵画は、無気力になるなど軽度の脳損傷を受けながらも続けられている実験の成果でもあります。
エビリファイ(アリピプラゾール)
大塚製薬が発見・開発し、世界60カ国・地域以上で承認されている非定型抗精神病薬の一つ。不眠症、振戦、食欲不振などの副作用に加え、患者の1~5%未満が、うつ状態の誘発、1%未満は躁状態を誘発する可能性も。
ソラナックス、エビリファイ、ロラゼパム
3つの薬物を同時摂取して描かれた絵。ロラゼパムは、ワイパックスやユーパンという商品名で発売されているベンゾジアゼピン系の抗不安薬かつ催眠鎮静剤。抗不安作用、催眠作用、鎮静作用のほかにも、筋弛緩作用を持ちます。
ジアゼパム(商品名:バリウム)
ベンゾジアゼピン系抗不安薬、抗けいれん薬、鎮静薬。日本国外では代表的な睡眠薬でもあり、(骨格)筋弛緩作用もあります。
サルビア・ディヴィノルム
幻覚作用のあるハーブ。メキシコ、オアハカ州の高地に生えるミント科の植物で、マサテク族のシャーマンは占いなどにも用いてきた植物。
メチルフェニデート(リタリン)
ナルコレプシーならびに18歳未満のADHD患者に対して使われる、アンフェタミンに類似した中枢神経刺激薬。慢性疲労症候群といった症状に対しても効果があるとされています。
G13大麻
大麻の中でも非常に強力な作用を持っている種類。CIAやFBIが世界中から集めた強力な作用を持つ大麻を、研究機関が掛け合わせることによって品種改良したもの。
ガス吸引
ガスを吸引すると、酸欠状態に伴う酩酊状態に陥ります。
ジラウジッド
ジラウジッドはモルヒネの8倍強力であるとされ、人々の間でしばしば「薬局のヘロイン」と呼ばれている薬品。
ご覧のとおり、薬物は脳に非常に大きな影響を与えます。もちろん治療のために用いられることもあり役立つこともありますが、一方で副作用による影響を大きく受ける可能性があります。驚くべき薬物の影響力でした。