先日メキシコの麻薬カルテル絡みの殺人事件をお伝えしましたが、今度はコロンビアの麻薬カルテルが保有していた最新鋭の武器が押収されました。その武器とは、なんと潜水艦でした。
カルテルとは、中南米、南米の麻薬組織、暴力組織のことで日本風に言えばヤクザやマフィアのようなものだと考えてもらえば分かりやすいと思います。有名なものは「メデジン・カルテル(コロンビア)」「シナロア・カルテル(メキシコ)」「ベルトラン・レイバ・カルテル(メキシコ)」などがあります。
当局によると、今回押収された潜水艦は「FARCテロ組織」が保有していた最新鋭のもので、処女航海はしていない未使用品であるものの7トンの麻薬を輸送できる能力を持ち洗練されたナビゲーションシステムまで搭載していました。また、全長は52フィート(約15.6m)、130万ポンド(約1億5000万円)のコストをかけて製作された5人乗りの代物で、中米地域を潜水航行することが可能とのこと。
麻薬警察署長のジーン・ルイス・アルベルト・ペレス・アルバラード氏によると、この潜水艦は「コロンビア革命軍」の「FARCテロ組織」がコロンビア南部の麻薬密売人と提携して麻薬を運送する際に使われる予定のものだったそうです。
コロンビアはコカイン産業の中心地であり、生産されたコカインの多くはアメリカ、カナダ、メキシコに供給されます。またヨーロッパで消費されるコカインの大半はコロンビア産です。
当初、「FARCテロ組織」はアメリカの”帝国主義”とは対照的なマルクス主義の革命グループであり、コカイン生産者を保護し課税することで数百万ドルの収益を上げていました。しかし、1990年代以降、大部分の生産と輸出に直接的に関わるようになり現在では年間に2億ドル(約154億円)の売り上げを出しています。
もはや、通常の犯罪組織の域を超えた武器を持つようになってしまった中南米のカルテル、当事国だけの軍事力で解決できなければ今後アメリカの軍事介入もありえる状況にまできているのかもしれません。