7月9日、アメリカのフロリダ州で川を泳いでいた17歳の少年がワニに襲われる事故が発生しました。少年は、右腕の一部を食いちぎられながらもテレビ番組で見た行動を実践して自力で脱出しました。
カレブ・ラングデール君は、フロリダ州南部にあるムーアヘイブンのカルーサハチ川で友人たちと遊泳中、川に潜んでいた体長約3.4mのワニに襲われました。
家族や友人の話によると、ラングデール君は自分に向かってくるワニを見て、とっさにナショナルジオグラフィックのドキュメンタリー番組「スワンプメン」を思い出し、かまれるのを防ごうとワニの口の下の部分をつかみました。
この行動によって最初の一撃は逃れましたが、そのまま泳いで逃げようとしたところで再び腕をかまれました。家族によると、ラングデール君は「一度ワニに腕をかまれたら、なくすしかない」と悟り、両足でワニの頭を強く蹴って右腕を食いちぎらせたといいます。これもスワンプメンをみて覚えた動きでした。
腕を食いちぎられたカレブ・ラングデール君「家族で唯一の左利きになっちゃったな」
友人は「(ラングデール君は)腕を与えれば胴体は取られないと知っていた。頭を働かせてその危険を冒した」と振り返りました。ワニから逃れたラングデール君は手を振りながら、「救急車を呼んで。腕がなくなった!」と助けを求めたといいます。
ワニはその後、野生生物保護当局が捕獲して処分。かみちぎられたラングデール君の腕も回収されましたが、元の腕に接合することはできませんでした。
ラングデール君の妹によると、腕を食いちぎられてショックを受けているであろうラングデール君ですが「家族で唯一の左利きになっちゃったな」と冗談を言うほどの余裕を見せているといいます。
地元の保安官によると、この地域でワニが人を襲うことは滅多にないといいます。しかし野生生物保護当局は、今の季節はワニの活動が活発になっているとして注意を呼び掛けています。
ラングデール君の妹は「(とっさに腕を食いちぎらせずに)身体をかまれていたら、おそらくラングデールは溺死していた」と語りました。
とっさの判断力、苦渋の選択を実行する実行力、勇気、腕を失いながら周りを気遣って見せる余裕、とても17歳とは思えません。ケガを回復させて少しでも早く元気になればいいですね。