全身が白いクマといえばシロクマしか思い当たりませんが、北米大陸カナダのブリティッシュ・コロンビア州の森林でまるでシロクマのような白いツキノワグマが発見されました。このツキノワグマは、遺伝子の突然変異によって誕生したアルビノとされており、非常に珍しいケースだといいます。
アルビノのクマは、この地域では昔から神話に登場する伝説の生き物とされています。またその貴重さから、政府はアルビノクマを殺すことを禁じており、殺した場合には1頭に付き10万ドル(約784万円)という罰金を科しています。
しかし実際には、狩るどころか見つけて写真に収めることさえも非常に困難とされており、世界中から野生動物写真家がやってきて写真撮影に挑んでいますが、ほとんどが失敗に終わっているようです。
ところが今回、カメラマンのポール・ニックレンさん(43歳)は、伝説のアルビノグマがのびのびと過ごしているこれらの貴重な様子を撮影することに成功しました。
カナダのバンクーバーに暮らすニックレンさんは「この小さなクマはホッキョクグマではありません。世界に200頭ほどしかおらず、その純粋な白さは驚くべきものです。このアルビノグマはパンダよりも珍しいです」と言います。
ニックレンさんによると、このアルビノグマを撮影するために2ヶ月間ものあいだ、森を探し回ってやっと発見することができたといいます。また、このアルビノグマを撮影することが子供のときからの夢だったそうです。
黒いクマしか見たことない人間が、森の中でこんなに白いクマを見かけたら伝説にもなりますよね。神秘的で貴重なアルビノのクマをとらえた写真でした。