中国陝西省鎮坪県で今月、妊娠7ヶ月の妊婦が、一人っ子政策を徹底させる計画出産当局によって強制的に堕胎させられ、胎内の赤ちゃんが死亡したことが分かりました。陝西省政府は14日、現地にチームを派遣して調査した結果、地元当局の行為は「国家・省の規定に著しく違反した」と認定、法規に基づき関係者の責任を追及するよう要求したと発表。ミニブログ「微博」(中国版ツイッター)にはベッドの上で死亡した赤ちゃんを見詰める母親の写真が流れており、ネットで憤りと反響が広がっています。
事件を調査する弁護士や中国メディアによると、母親の馮建梅さん(22歳)は2007年に長女を出産しました。
地元計画出産当局は、第2子の妊娠を知り、4万元(約50万円)の罰金を要求。夫妻が払わなかったため、当局者二十数人が6月2日、馮さんの自宅を訪問し逮捕。そのまま家から引きずり出し自動車に押し込んで無理やり病院に連れて行きました。
馮さんは、病院で目隠しをされて暴行を受け無理矢理同意書にサインさせられました。その後、病院で堕胎させるための注射を打たれ、赤ちゃんを36時間後に死産しました。
中国の法律では6カ月以上の妊婦の中絶は禁止されており、今回の事件は違法。一人っ子政策担当者3人が停職となり、市当局は女性と家族に謝罪したといいます。
当局者はこの際、抵抗する馮さんに暴力を振るったといいます。そして死亡した赤ちゃんを親戚が撮影しました。
夫の※(※=登にオオザト)吉元氏(29歳)は時事通信の電話取材に「近くに当局者がおり、何も言えない」と述べました。