以前、メキシコで学校の前に5つの首が置かれる事件が発生したことをお伝えしましたが、麻薬カルテルの抗争によってさらなる犠牲者が発生しているようです。
メキシコ軍当局者は4日、北東部ヌエボラレード市の交差点にある高架橋で同日朝、宙づりにされている男女9人の遺体が発見されたことを発表しました。この遺体は男性5人、女性4人の遺体で、殴打や拷問された形跡がありました。後ろ手に縛り上げられており、7人は目隠しされていました。また、この9人の発見の数時間後、別の14人の頭部も発見されました。
14人の頭部は、市役所の外に置かれていたクーラーボックスの中に入れられていたようで、脅迫状も頭部と一緒に梱包されていました。また身体の方は、インターナショナルブリッジ近くに捨てられていた自動車の中に黒いビニール袋に入れられて遺棄されていました。
なお、当局は脅迫状の内容や動機などについては現在のところ明らかにしていません。
吊り下げられた遺体の近くには、麻薬カルテルに宛てられたメッセージが残されており、メッセージには9人は麻薬カルテルに属し警察署近くで先月起きた車爆弾事件に関与していたと記されていました。
軍当局者は、9人の殺害について、組織犯罪集団に絡む犯行との見方を強めています。
遺体が見付かったのはヌエボラレード市で最も交通量が多い交差点の1つ。同市はアメリカ・テキサス州との国境に近い場所です。
この地域は、カルテル同士の縄張り争い抗争が頻発しているといいます。メキシコでは近年、カルテルによる銃撃戦などの激しい抗争が頻発しており、警察、記者、公務員を恐喝や賄賂によって支配している状態が続いています。
メキシコ政府によると、麻薬の取り締まりを始めた2006年以降、5万人以上が殺害されていると報告しています。