カンボジアには過去のフランス統治時代に作られた鉄道がありますが、整備はされずよく脱線をするため歩くスピードより少し速い程度の運行しかされていませんでした。
長い間、旅行者や村人は世界有数の劣悪な鉄道を利用せざるを得ませんでしたが、とうとう人々は自分達で鉄道サービスを始めてしまいました。
その列車は地元では「Norries」、旅行者からは「bamboo trains(竹列車)」として知られています。
この竹列車は2つのバーベルのような台車に、3メートルほどの木で作られた木枠と竹の”座席”だけで構成されたシンプルなもので、排水用ポンプのガソリンが動力源となっており、スピードは時速40kmほどで20人を同時に運べるということです。
また向こうから竹列車が来て、2台の列車が立ち往生した場合は、片方の列車を皆で持ち上げて横にずらしてもう片方の列車を通します。そのためダイアが無くても運行することができるようです。
また非公式ながらこの竹列車はカンボジアの重要な輸送システムとなっており、観光客が払う運賃(1日乗って2ドル)も地元の人々の重要な現金収入源になっています。
ポル・ポト時代のジェノサイドや内戦によって貧しいカンボジアですが、人々の活力やたくましさには敬服します。