スウェーデンのストックホルム近代美術館で開催されたイベントで、人種差別や女性差別を批判する為に制作された、ネイティブアフリカの女性を模ったケーキが大きな波紋を呼んでいます。
このケーキは、女性器を切り取る女性の割礼問題を非難するために作られたパフォーマンスアートです。ところが、あまりにも人種差別的かつグロテスクな仕上がりに非難が殺到。イベントにはスウェーデンの文化大臣も出席していたため、騒動は予想以上の広がりを見せています。
このケーキ元々は、人種差別や女性差別を批判する為に制作されたケーキでした。しかし、その演出があまりにも黒人女性を侮辱するものだったため、周囲から「このケーキを作った人間の方が人種差別的だ」という意見が噴出したようです。
イベントでは、黒人女性を模ったケーキを参加者らがナイフで切り取っていくというパフォーマンスが行われ、ケーキの切り口からは人間の内臓を思わせる赤いスポンジが露出するという凝った作りとなっていました。また、顔部分だけは本物の人間が入り込んでおり、ナイフで切られるたびに痛がる演出も行われていました。
ただでさえ非難を浴びる内容ですが、このイベントにはスウェーデンの文化大臣Lena Adelsohn Liljeroth氏が参加していたため、問題はより大きなものへとなりました。
このイベントを知った人の中には、Liljeroth氏の無能さをさらけ出したとして辞任を求める声も上がっています。
Liljeroth氏は、これらの非難に対して「ケーキ制作者は、私にケーキを切らしたかっただけです。芸術に関してはよく分かりませんが、なぜ多くの人が誤解し、批判しているのかは分かっています」と弁明しています。
このケーキは、「World Art Day」を記念して企画されたもので、歴史を通じて黒人の固定観念を打ち破るために意図された芸術家たちのプロジェクトの一部でした。
ケーキの頭部分を演じ、ケーキ制作者でもあるMakode Lindeさんは、ケーキの意図が誤解されていると語っています。
強いインパクトがあり訴えかけるものはありますが、「人種差別を助長している」と誤解されても仕方がないクオリティだと言わざるを得ませんね。女性の割礼問題も深刻ですが、まず制作者は”差別とは一体なんなんだ?”というところをよく考えるべきだったかもしれません。