世界各国で行われている「人体の不思議展」がローマで開催されました。「人体の不思議展」では、生き物を標本にする”プラスティネーション”という技術によって人間を標本化したものを展示しており、これまでにも世界各国で論争が起こっています。また、この技術を開発したグンター・フォン・ハーゲンス博士は人間だけでなく動物を標本にした展示も行っており、日本でも違法性についての是非が問われている展示会です。
プラスティネーション (Plastination) とは、人間や動物の遺体または遺体の一部(内臓など)に含まれる水分と脂肪分をプラスチックなどの合成樹脂に置き換えることでそれを保存可能にする技術のことで、ドイツ・ハイデルベルク大学のグンター・フォン・ハーゲンスにより、1978年に生み出されました。
今回の展示では、スポーツ、病気、タバコ、日常的な行動による腰や膝へ長期的影響についてクローズアップされています。
本物の人体に、日常的なポーズをとらせることで解剖学的、生理学的に健康について理解しやすく工夫されており、人体構造やシステムを分かりやすく展示しています。
今回の展示会では、全身標本だけでなく個々の器官、臓器などもあり200体以上の標本が展示されました。
これまでに、人体を展示するだけでなくポーズをとらせることに不快感や倫理的な疑問を抱く人も多く、特色であるこのユニークな展示方法が論争の火に油を注ぐことになっています。