先日、滴る水がまるで水が空中に静止しているように見える水滴動画をご紹介しましたが、この理論を応用して、今度は水がホースに吸い込まれているように見える不思議な動画をご紹介します。とりあえず動画を見て、その不思議さを体感してみてください。
動画の前半では、以前にご紹介したように水が空中で静止しているように見える撮影方法を実践しています。そして後半では、まるで水がバケツの中からホースに向かって吸い込まれているような映像となっています。
この不思議な「吸い込まれる水」の映像を説明する前に、まずは「静止する水」のトリックをご説明します。「静止する水」では、ホースをスピーカーに当てることで水に振動を与え動きを作り、その水にストロボライトを当て、ライトのタイミングとカメラのフレームを合わせて撮影することで「静止する水」を実現しています。規則的に落ちる水が、同じ場所を通る瞬間だけ切り取ることで静止しているように見えるわけです。
「吸い込まれる水」では、「静止する水」でのライトのタイミングとカメラのフレームをほんの少しだけ早くすることで、前に撮影された水の軌道の少し前を撮影し、水が徐々に上がっているように見せています。逆に、ライトのタイミングとカメラのフレームをほんの少しだけ遅くすれば、今度はゆっくりと水が落ちているように見せることができます。
この原理は「ローリングシャッター効果」と呼ばれるもので、今回の「吸い込まれる水」やギターの弦の動画以外でも、さまざまな条件によって発生します。
こちらのカリンバ演奏動画では、バネがグニャグニャっと曲がって見えています。
やっぱり何度見ても奇妙で面白い「ローリングシャッター効果」を用いた「吸い込まれる水」動画でした。