今や日本で社会問題となっている引きこもり。長期に渡って自宅や自室に閉じこもり、社会活動に参加しない状態が続いている人を示しますが、とうとう日本だけにとどまらず海外でも「Hikikomori」として認知され始めているようです。日本の引きこもりは、海外でいったいどのようにとらえられているのでしょうか。
引きこもりについて厚生労働省では次のように定義しています。
『「仕事や学校に行かず、かつ家族以外の人との交流をほとんどせずに、6ヶ月以上続けて自宅にひきこもっている状態」時々は買い物などで外出することもあるという場合も「ひきこもり」に含める』
BBCなどの情報によると、「Hikikomori」は日本に約100万人存在しており、10代20代の若い男性が心理的問題から、学校にも行かず外出もせず自分の部屋から出ない状態だといいます。また、「Hikikomori」は実家で暮らしており、その時間の多くを読書、テレビ、インターネットに費やしているといいます。食事はドアの前に置かれ、自室で引きこもって食べます。
「Hikikomori」は、アスペルガー症候群、総合失調症、広所恐怖症などの精神疾患から引き起こされるわけではありません。また、心理的な問題だけでなく日本独自の歴史や文化といった社会的な問題が関係しているといいます。
そもそも日本文化の中では、孤独は異常なことではないといいます。神話や鎖国といった歴史、文化、民俗学などの広い範囲にわたって、その根底に孤独があります。また山に篭もって修行を行う仙人思想は、「Hikikomori」と通じる部分があるといいます。
これらの「Hikikomori」に関する定義や理由は定かではありませんが、日本以外にも同様の現象は、韓国、台湾、香港、アメリカ合衆国、オーストラリア、イギリスなど多くの国、特に先進国で存在すると見られています。
今回ご紹介したのは一例であり、海外の全てで「Hikikomori」として認知されているわけではありません。ただ、「Hikikomori」として認知され始めた引きこもり、今後、「Sushi」や「Tunami」のように自室に引きこもる人々は世界共通で「Hikikomori」と呼ばれる日がくるのかもしれません。