一見すると普通の彫刻作品のように見えますが、実はこれらの作品が置かれている場所は針穴の中なのです。イギリスのマイクロアートの巨匠ウィラード・ウィガン(Willard Wigan)によって制作された、信じられないほど小さくも精巧な針穴に作られた彫刻作品13点をご覧ください。
ウィラード・ウィガンは、1957年にイギリス・バーミンガムで生まれました。生まれながらの失読症であるため、学校では良い成績を上げられず、現在でも読み書きをするのがやっとだといいます。しかし、その失読症が彼を世界最小の彫刻制作をする芸術家へのきっかけを与えました。
ウィガンは、失読症と診断されないまま読み書きができなかったため、学校では教師や同級生からバカにされていました。それらの嘲笑から逃れるため、5歳から彫刻制作を始めました。彫刻制作は次第にエスカレートしていき、特に「大きさ」にこだわって制作を続けました。そのうち、顕微鏡を使いながらの彫刻制作に挑戦し始め、この制作が現在のマイクロアートに繋がりました。
ウィガンの作る作品は、小さいながらも非常精巧なため、1つの作品制作に多くの時間を費やします。米や砂粒などを手術用のメスで彫刻することもあり、指先がぶれないように心臓の鼓動と鼓動の間にメスを使うため、1つの彫刻を仕上げるのに8週間もかかるといいます。また、これらの緻密な作業を行うため、神経系や呼吸を制御する技術を身につけているそうで、作業中には心臓の鼓動を抑えるため瞑想状態で作品制作を行っています。
これらの努力の結果、現在では世界で最も小さい美術品を作るマイクロアートの巨匠として知られるようになりました。
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