今ではあらゆる美しい場所が見られるようになった「グーグルストリートビュー」ですが、プロジェクトが始まった当初からプライバシー権の侵害が大きな問題となっていました。今回は、そんなグーグルストリートビューによって被害を受けた男性についてのニュースです。
3月1日、フランス北西部の村に住む男性が自宅の庭で放尿している姿を掲載されて笑いものになったとして、グーグルを相手に損害賠償などを求める訴えを起こしました。
男性は、写真の削除と1万ユーロ(約110万円)の賠償を求めています。掲載されている写真に写っている男性の顔は不鮮明ですが、人口が約3000人の村では本人だと分かってしまうとしています。
男性の弁護士はロイターに対し、「誰にでもある程度のプライバシーを守る権利がある。今回のケースはそう深刻ではないかもしれないが、もし男性が妻ではない女性とキスをしているところを撮られたとしても、同じ問題だ」と語りました。また弁護士は、撮影時、庭の門は閉めてあり、プライバシーの侵害だと主張しています。
一方、グーグル側の弁護士は「信じ難い」とだけコメントしているようで、地元紙によると訴えを退けるよう求めているといいます。
さまざまな情報が容易に手に入る利便性の一方、これまでには問題とならなかったことが問題となっています。なぜ、男性がわざわざ庭で放尿していたのかは置いておいて、これまでにはありえなかった種類のプライバシー権の侵害だといえそうです。
裁判所の決定は今月15日に下される予定です。