大阪大学の石黒浩教授が研究するアンドロイドロボット「ジェミノイドF」はかなり有名ですが、これを用いた世界初となるショーウィンドウへの展示が新宿高島屋で開催されています。この試みは、ヒューマノイドロボットを本格的に商用利用することへの第一歩かもしれません。
この展示は、期間限定のバレンタイン特別企画として展示されているもので、ロボットにはあらかじめベースとなる感情や行動のモデルがプログラムされており、センサの情報をもとに周囲の状況を認識しながら、表情や動作を作り出しています。
開発者に石黒教授は、マネキン以上に人間に近いアンドロイドロボットは、ショーウィンドウの目的に適っているとしており、アンドロイドが利用できる場所の1つだといいます。
また今回の試み以外にも、過去にはアンドロイドと実際の俳優が共演する「アンドロイド演劇」を製作し、国内外で反響を呼んでいます。今回ショーウインドウにアンドロイドを使うことで、人々がどのような反応を見せるか実用性を含めて研究しています。
演劇では、アンドロイドは200~300人程度の閉じた世界で役割を果たしていますが、今回は数万人規模の目に触れるということで、オープンな場所でどこまでアンドロイドが受け入れられるかを試してみたいといいます。またこのアンドロイドには、ベースとなる感情の波の上に65通りの動作がセンサに応じて表出するようになっており、ずっと見ていても違うストーリーが表れるといいます。
アンドロイドは、基本的には誰かを待っている時の自然な動作をしており、常に人に反応するわけでなありませんが、時々反応して笑顔を返したりすることもあります。
アンドロイドが日常的に人の目に付くところへ設置されれば、そのうち違和感も薄らいでいき、社会に導入されるかもしれませんね。そういう意味では、今回の試みはアンドロイドの社会進出の第一歩かもしれません。