現在韓国では、墓場に関する問題を解決するために伝統的な埋葬方法が変わろうとしています。
儒教の国である韓国では、一般的に土葬が行われてきましたが、国土が狭く人口密集度が高いため墓場のスペースが大きな問題となっていました。そこで政府は、火葬をすることを推奨してきたのですが、ある企業が火葬以上に埋葬スペースが少なくて済む「ビーズ葬」を開発しました。
韓国では、これまで土葬が一般的であり、10年前には死者の60%が伝統的な土葬によって弔われていました。しかし、土地利用の問題から政府が、2000年に行った”土葬をした場合、60年後には墓を撤去しなければならない”という法改正や、パンフレット・ラジオ放送などの火葬推進キャンペーンを行った結果、状況は一変しました。昨年では、土葬にする人が死者の30%に減ったといいます。
このように火葬が増える時代の変化を受けて、この数年で火葬に関連したサービスを提供して成長している企業がさまざまなサービスを生み出しました。
その1つであるBonhyang社は、遺灰を非常に高い温度で90分過熱することで溶かし、ビーズに成形するサービスを提供しています。
ビーズ化することで、カビが生えたりして悪臭を放つことがなくなり、さらにどこにでも持ち運ぶことができるようになるといいます。また、もっとも人気のカラーは青緑色ですが、他にもピンク、紫、黒などが人気だそうです。
遺体をビーズにする場合の値段は900ドル(約7万円)程度でできるようで、若い人間ならカップ8杯分程度(骨密度が高いため)、通常で4~5杯のビーズを生成することが出来るといいます。
また、他社にも同じように遺灰をビーズにするサービスを提供しているところはあるようですが、同社はミネラルなどの不純物を使うことなく、100%本人の遺灰からビーズを生成できるため技術的に優位に立っているとしています。
宗教的・文化的な問題から、このような埋葬法はなかなか浸透しにくいようですが、今後の人口爆発を考えれば、どの国も他人事ではいられません。
日本でも、急速な都市化が進んだ戦後になってから、一気に火葬が浸透しましたが、同じように土地問題が拡大すれば、ビーズ葬が一気に普及するかもしれませんね。