古代の人間の暮らしぶりというと、どうしても原始的で野蛮な姿を想像してしまいますが、私たちの予想に反して彼らは案外まともな生活をしていたのかもしれません。
今回、南アフリカの岩のシェルターの中で発見された古代のベッドには、快適に眠れるように殺虫成分が含まれる草が材料として利用されていたことが分かりました。
今回発見されたベッドの遺跡が発見された土の層は少なくとも3つ以上のものがあり、年代として3万8000年~7万7000年前までと推測されています。
発見されたベッドは、植物の茎や葉が幾層にも重ねられたものであり、安眠するために古代の人々が知恵を絞って作り上げたことがうかがえます。また、蚊を撃退するために現在でも薬として使われている薬効のある植物を使用していた痕跡も見つかっており、彼らが周囲の環境にある植物の知識についても詳しかったことが明らかとなりました。
このベッドは、何度も取り替えられた形跡も見つかっており、彼が害虫を駆除するために定期的にベッドを燃やして取り替えていた可能性もあるといいます。また、ベッドは眠るときに使う以外にも使われていたようで、おそらく現在のカーペットや畳のような使われ方をしていた可能性も示唆しています。
今回発見されたベッドは、これまでに発見された最古のベッドよりも5万年も前のものであり、古代の人々の生活を解明するうえでも重要な資料となりそうです。