日本でも漫画家の楳図かずおの家「まことちゃんハウス」が奇抜すぎるとして裁判にまでなりましたが、スコットランドでも同じようなことが起こっています。
スコットランドにある13世紀の古城の壁に、ブラジル人アーティストがサイケデリックで前衛的なアートを描いたところ地元の人々の猛反発が起こりました。
この事件は、スコットランドにあるケルバーン城の所有者でありグラスゴー公爵であるパトリック・ボイル氏が、お城の壁画の作成をブラジル人アーティストに依頼したことから始まりました。
この依頼を伯爵の息子と娘から2万ポンド(約250万円)の報酬で引き受けたブラジルのグラフィックアーティスト集団が、2007年に独創的で非現実的な漫画調の壁画を依頼に基づいて作成しました。
この壁画プロジェクトは”壁画は一時的に描かれるもの”ということで、North Ayrshireの理事会に許可されました。これらの経緯から描かれてから3年間の期間は何事もなく、この壁画は展示されていました。
ところが3年経った現在になって、ケルバーン城に住むグラスゴー伯爵が「壁画が描かれた3年間で世界中から注目を集めることができた。また、誰もがこの壁画を愛している」「新たにキャラクターを描こうと思う」と主張し始めました。
この主張に住民は大激怒、現在問題となっています。
スコットランドの歴史的建造物の所有者のガイドラインによると「建物を適切な方法で歴史的に正しい色にすること」などが盛り込まれています。また「複数の色を使用する場合、論理的かつ一貫した方法で建物全体の構造上の機能に合ったものでなくてはならない」となっています。
このガイドラインからグラスゴー伯爵の主張は厳しい立場に立たされています。
しかし、デザイナーのトリスタン・マンコさんがこの壁画をストリートアートの世界トップ10に選ぶなど世界的にも評価されているデザインであることは間違いないようです。
今後、この壁画がどうなるのが注目されます。