海外では「ホールパンチ雲」として知られている「穴あき雲」とは、層状に薄く広がった巻積雲や高積雲で見られる円形の隙間が開いた雲のことです。隙間の下には垂れ下がるような筋状の尾流雲(降水条)がみられることが多いとされています。
今回は、そんな奇妙な形をした実際に見られれば嬉しくなること間違いなしの「穴あき雲」写真7点をご紹介します。
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中心部の雲だけ落ち込んでおり、明らかに周りの雲とは異なった趣をしています。
穴あき雲は、層状の雲を構成する雲粒が、氷点下にありながら凍結していない過冷却の状態にあって、ある一点で凍結が始まると、飽和水蒸気圧の差によって周囲の水滴が蒸発して氷晶表面に昇華し氷晶が急速に成長する現象(ライミング)が発生し、成長した氷晶は落下を始め、雲に円形の穴が開き、その中心付近から筋状の尾流雲が降りることで生成されます。
尾流雲は氷晶からなることが多いので、羽毛のような巻雲の形状をしていることが多いといいます。また、凍結開始のきっかけとしては、層状の雲が2層以上に重なっていて、上層の雲から落下してきた氷晶が過冷却雲層に達すること、などが指摘されています。
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ぽっかりあいた穴と、中央に漂う雲が不気味さをかもし出していますね。
一般的に目にする機会は少なく、UFO(あるいはUAP、Unidentified Aerial Phenomenon=未確認空中現象)などと誤認された例もありますが、学術的には決して珍しい現象ではないといい、ロシアやアメリカではしばしば写真が撮影されているといいます。
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夕焼けによって赤く染まると、なおいっそう不気味な感じに。
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青空に浮かぶ白い穴あき雲は、先ほどの不気味さを一切感じさせません。
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虹まで現れると、何かがそこにあるような神々しさを感じさせます。
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雲の下を飛んでいる飛行機からは、どんな景色が見えているのか気になります。
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そこだけポカンと穴があいていると「天空の城ラピュタ」が登場しそうな感じもしますね。これらの写真を見た人は、今日一日、空が気になってついつい見上げてしまうに違いありません。