サムスン電子は、ドイツ・ベルリンで開催された「IFA 2012」カンファレンスに招待したインド在住の2人のテクノロジブロガーに対して、サムスンの宣伝活動をしなかった場合には自費で帰国するように脅したとされる不適切な扱いにつながった一連の出来事は「誤解に基づくもの」であると述べ、「不当な苦痛」をもたらしたことについて謝罪しました。
この出来事は、サムスンがインド在住のモバイルテクノロジー関連のブロガー数人に連絡を取り、ベルリンで開催される「IFA 2012」カンファレンスに参加するための航空券代を負担すると申し出たことに端を発します。招待を受けたブロガーの1人であるニューデリー在住のClinton Jeff氏は、レポーターとして参加することで合意していたはずでしたが、現地に着いた時点で、サムスンのユニフォームを着用して同社のブースに詰め、サムスン製品を報道陣に対してデモしてみせるよう言い渡されたと述べています。これに対してJeff氏が異議を唱えたところ、ホテル代や帰路の航空券を自費で購入するよう告げられたといいます。
サムスンは声明において、Samsung Mob!lersのテクノロジブロガープログラムのコーディネーターに非があるとし、サムスン自身はブロガーに宣伝活動を強いるつもりなどまったくなかったと主張しています。
「Samsung Mob!lersは、サムスンのモバイル機器を活用しているユーザーによる自主参加型のコミュニティであり、そのメンバーには世界中で行われるサムスンのマーケティングイベントに参加するチャンスが与えられる。また、こういったイベントにおいて彼らが行う行為はすべて自主的なものとなっている。われわれが彼らに対して何らかの行為を強いるようなことはない。」
「Samsung Mob!lersのコーディネーターと、該当ブロガーの間に誤解があったことについて遺憾の意をあらわしたい。われわれの見解は、IFA 2012におけるSamsung Mob!lersの活動の本質が、同ブロガーにきちんと伝えられていなかったというものである。われわれはこのブロガーに連絡を取っているところだ。」
「われわれは、独自のストーリーを公開するというブロガーの自主性を尊重している。」
しかし、The Next Webに提供された、サムスン関係者からJeff氏に宛てられた電子メールでは、サムスン関係者はJeff氏に対して自社の責任を認めているようです。
「ベルリンで開催されたIFAカンファレンスにおけるあなたの体験について、このメールで深くお詫びしたい。われわれはあなたに不当な苦痛をもたらしてしまったため、この状況をただすべく努力しているところだ。」
なお、この騒動に巻き込まれたブロガーはノキアに助けてもらい、最終的にはホテルも航空券も確保できたといいます。企業から製品などに関する意見を求められた場合には、トラブルに巻き込まれないように気を付けたほうがよさそうですね。