大麻に関する最新の研究によると、学校に通っていた若い年齢で大麻の吸引をした人は、大人になってもIQ(知能指数)が低下したままであることが明らかとなりました。また、麻薬を吸引していない人に比べて注意力と記憶に関する問題を多く抱えていることも分かりました。さらに、若いころ大麻の吸引をやっていた人が、大人になって止めても知力は完全に回復しませんでした。
今回の研究結果は、イギリスのキングス・カレッジ・ロンドンとアメリカのデューク大学の研究者が発見したものです。
研究では、1972年~1973年に生まれたニュージーランド・ダニーデン出身の人々1000人以上の人々を追跡調査しデータを集めました。18歳、21歳、26歳、32歳、39歳のそれぞれの年齢で、大麻の使用状況や注意力・記憶力に関する質問をしました。また、13歳の時と38歳の時にIQ(知能指数)テストが行われました。
その結果、大麻を使用し続けている人は、最大で13歳のころに比べてIQが8ポイント低下していることが明らかとなりました。さらに、どの少年期、青年期、成人のどのような年齢で大麻を使用しても、IQの低下が認められたといいます。
8ポイントのIQの低下というと、それほど深刻なようにも思えませんが、実際には非常に低下しているとのこと。また、人生で重要な場面といえる年代でIQが低下することは、立場的にも非常に不利になる可能性があるといいます。
研究では、IQの高低が大学で教育を受けられるかの大きなポイントとなっており、その後の人生の収入、良い仕事に就ける可能性などにも影響しているといいます。さらに、心臓病、アルツハイマー病などを早期に発症する傾向もあるといいます。
大麻よりもタバコの方が有害だという意見もありますが、今回の研究から現時点では大麻の方が有害だといえるとしています。
日本では違法となっている大麻ですが、軽い気持ちで一度でも手を出すとその後の人生全てに影響することを肝に銘じておかなければいけませんね。