クレバスとは、氷河や雪渓などに形成された深い割れ目のことです。通常なら落ちた時点で一巻の終わりと言えるこのクレバスに転落した70歳のドイツ人登山家の男性が、なんと転落から一週間後に生還するという奇跡的な生還劇がオーストリアのアルプス山脈で起こりました。
男性が転落したのは、アルプスのチロル地方にあるSchrankogel山の標高3000m付近に出来た深さ20mにもなるクレバス。1人で登山を行っていた男性は、クレバスに転落してからの6日間を氷の隙間で耐え忍びました。
その後、助けを求めて上げていた声がクレバスの近くを通りかかった登山者の耳に届き、男性がクレバスに落ちていることが当局に通報され、駆けつけたレスキュー隊によって救助されました。
滑車とロープによって引きずり上げられた男性は、氷の隙間で防水ジャケットを着て頭にスカーフを巻いていたといいます。男性は、低体温症と極度の疲労で衰弱していたため病院へヘリコプターで緊急搬送されました。
普通なら20mも深さのあるクレバスに落ちた時点で転落死しても不思議ではありませんが、この男性は転落してダメージを受けず、さらに6日間も氷の隙間で耐えながら助けを求め続けるという尋常ではないタフさを兼ね備えていたようです。もはや無敵と言っても過言ではない驚くべき山男の奇跡の救助事件でした。