ソーシャルニュースサイトの「Digg」は現地時間2012年7月12日、betaworksに買収されると発表しました。betaworksは短縮URLサービス「bitly」やソーシャルニュース収集サービス「news.me」などを運営しています。2008年にはグーグルから2億ドル(約160億円)で買収を持ちかけられた「Digg」でしたが、今回の買収金額はたったの50万ドル(約4000万円)だとされています。
Digg最高経営責任者(CEO)のMatt Williams氏によると、Diggは数カ月前から今後進むべき方向について多数の選択肢を検討していたといいます。「その多くは、Webで最良のものを見つけるという、Diggが最初に作り出された理由に沿うものではなく、我々はDiggがスタート地点に立ち返る道を探していた」と述べています。
Diggは2004年にサービスを開始し、数年で話題の中心にのぼるようになりました。2008年にはグーグルが約2億ドル(約160億円)で買収を持ちかけたとうわさされました。今回、Diggとbetaworksのいずれも買収金額について明らかにしていませんが、ウォール・ストリート・ジャーナルは約50万ドル(約4000万円)と報じています。
betaworksはDiggをNews.meと統合します。Diggはbetaworksの製品ポートフォリオの一つとなり、betaworks設立者であるJohn Borthwick氏が新しいDiggのCEOを務めます。近いうちにクラウドベースの新生Diggを公開し、iPhoneおよびiPad向けのNews.meアプリケーションを補完する役割を担います。Borthwick氏は「Diggを低予算で少数精鋭による機敏なスタートアップに戻す」と述べています。
なお、Williams氏はDiggのbetaworksへの移行作業が完了したのち、米ベンチャーキャピタルAndreessen Horowitzに客員起業家(Entrepreneur-in-Residence)として参加します。
Diggは2004年12月にKevin Rose氏らが始めた、閲覧者から投稿された情報を掲載する参加型ニュースサイト。ユーザは登録を行うことによって自分が見つけたニュースへのリンクを自由に投稿することができます。この投稿する行為を “digg” と呼んでいます。
ユーザ登録を行えば、面白いと感じたニュースに投票をしたり、ニュースに対するコメントを投稿することができます。また、気に入らない投稿や宣伝目的の投稿に対しては反対投票(bury)をすることもできます。投票数が一定数に達したニュースは、15個までdiggのトップページの目立つ場所に表示されます。
4年前に2億ドル(約160億円)と評価されていたサイトが、現在では50万ドル(約4000万円)と評価されているとは、なんとも言えませんね。SNS「Myspace(マイスペース)」の凋落などを見れば、フェイスブックやツイッターといった人気サービスも一寸先は闇かもしれません。