チリ領の太平洋上に位置する火山島イースター島には、古来より人面を模した石造彫刻「モアイ像」が存在します。謎の多いモアイ像は、長年、運搬方法についてさまざまな議論がなされてきました。
今回、このモアイ像の運搬方法についてハワイ大学の研究者らが実験した結果がナショナル・ジオグラフィック誌に掲載されました。
今回の実験では、モアイ像の頭にロープを巻きつけてロープで引っ張り歩かせるというものです。
考古学者のヘイエルダールが現地住人の協力を得て行った実験では、木のころに横倒しにして乗せて、大勢が縄で引っ張りました。また木の棒と大小の石を積むことで立たせるという方法で、当時の人口・技術力でもモアイの運搬が可能であったことを証明しています。
しかし、その後の研究でモアイ像は完成後すぐに立てられ、立った状態で縄で目的地まで運搬された、という方法も示されており、この方法では横倒しにして運搬するよりも人数が少なくてもすむ上、効率も良い事が確認されています。また、「モアイは自分で歩いた」という現地先住民の伝説の根拠にもなっています。
これまでさまざまな議論がなされてきたモアイ像の運搬方法。当時の人々は、モアイ像を歩かせていたのかもしれませんね。