覚醒剤売買に関する書き込みを放置したとして、インターネット掲示板「2ちゃんねる」の関係先が警視庁の捜索を受けた事件で、掲示板の管理会社とされるシンガポール企業は、実体がないペーパーカンパニーだったことが読売新聞の現地取材で明らかとなりました。
管理会社の取締役は読売新聞の取材に、名義を貸しただけで、2ちゃんねるの存在すら知らないと証言。警視庁は、2ちゃんねるの管理は国内で行われていたとみて、実態解明を進めています。
2ちゃんねるの管理会社とされる「パケット・モンスター社」の登記簿上の本社は、中華料理店が立ち並ぶシンガポール中心部の中華街「テロックアイヤー通り」にあるビルでした。
2ちゃんねるの元管理人の西村博之氏(35歳)の著書などによると、2ちゃんねるは2009年にパケット社に譲渡され、現在はパケット社が掲示板を運営しているといいます。
しかし、このビルに入っていたのは会社の連絡代行サービスを行う「リクビン」社。受付の女性は「パケット社の事務所はここだが、社員は一人もいない」とのこと。年間約700シンガポールドル(約4万6000円)でパケット社の連絡業務を代行しているといい、リクビン社幹部は「バーチャル(仮想の)オフィスだよ」と笑ったといいます。
1シンガポールドル(約66円)の出資金で簡単に会社を設立できる同国には、リクビン社のように登記や連絡を代行する会社は300~400社あるといいます。
パケット社の登記で「秘書役」とされる女性もリクビン社の社員。この女性は「2000社以上の秘書を務めている。それぞれの会社の業務は全くわからない」と話しました。
パケット社唯一の「取締役」、エフェンディ・アハメド・ハリス・メリカン氏(31歳)は今月20日夜、同国郊外のショッピングセンターで取材に応じ、「頼まれて役員になっただけで、2ちゃんねるという掲示板も知らない」と話したといいます。
これらの報道に対し、2ちゃんねるユーザーらは「しってた」「ひろゆきさん、はよ逃げて。」「そろそろ就職かな」「早く潰せ」と2ちゃんねるに書き込んでおり、報道内容は周知の事実だったようです。また、この記事を掲載した読売新聞に対し「読売新聞もまたペーパーカンパニーである」とうまいこと言うユーザーもいました。
今回の報道によって、2ちゃんねるの運営実体が日本にあることが濃厚となりました。さらに西村博之氏が依然として運営に関与しているという推測もされており、今後の動向が注目されます。
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