何も持たずにニュースを見たり、動画を見たり、SNSにアクセスしたりしている姿を想像してみてください。そんなSF映画に出てくる『攻殻機動隊』の電脳化のような驚くべき技術が開発されました。
今回、何も使わずにあらゆる情報を得ることのできるコンピュータ化コンタクトレンズのプロトタイプが開発されました。このコンピュータ化コンタクトレンズを使えば、何も持たずに映像や画像、テキストを視界に表示でき、本を読んだりインターネットをしたりできるようになるといいます。
こんな世界が現実に!?
今回開発されたコンピュータ化コンタクトレンズはプロトタイプとのことですが、装着することで視界にテレビ番組や本などの映像や画像、文字を映し出すことができ、さらに顕微鏡や望遠鏡のように遠くや近くをズームアップして見ることも可能になるといいます。また、情報が表示される部分以外では、通常通りに普通にモノを見ることができます。
コンピュータ化コンタクトレンズを目に装着し、眼球の表面に直接画像を表示する
この技術はワシントン大学のBabak Parviz教授によって開発されたもので、人間の髪の毛の太さよりも小さいナノスケールレベルの工学技術を使ったものです。Parviz教授は、LEDライト、ワイヤレスで電気と情報を受けられるアンテナ、さらに電子回路を含む小さな部品が詰め込まれたレンズを開発しました。
ウサギを使ったレンズの実験では、健康問題を引き起こすことなくウサギの目の中にレンズを入れることに成功。さらに、レンズはウサギの目の中でライトを点灯させました。
Parviz教授は「複数のドットがあれば、矢印を作り方向を示すことができる」と述べ、ライトのドットを増やすことで画像や動画を作り出し、人間が1日に必要な情報の全てを表示できるようにすることを構想しています。さらに、血糖値などの重要な医療情報を検知するセンサーをレンズに組み込むアイデアを構想しています。
また、イギリスでは視力を回復させるためのバイオニックアイの研究が進んでいます。
こちらは、眼球の網膜部分に1500のセンサーが組み込まれたコンピュータチップを埋め込み、目から入った光を電気信号に変換したあと、視神経に電気信号を流すことで「見える」ようになるというものです。
この技術は、数週間以内にイギリス国内のロンドンとオックスフォードで最大男女12人に施術される予定です。また同じような手術はヨーロッパでも行われており、ドイツの会社が行う手術で安全性と有効性が証明されれば、2013年には市場に出る可能性があります。
チップがここまで小型化しているならコンタクトレンズにして目に入れなくても、直接脳にチップを埋め込み電気信号を送れば良さそうな気もしますが・・・・それはSF映画の見すぎでしょうか。とにかく、SF映画でしか見たことがないような景色の広がる世界は、案外すぐそこにまで来ているのかもしれません。