フランス南部イストルのフランス軍基地で1日、仏航空機メーカーダッソーが開発した無人戦闘機の試作機「nEUROn」が初飛行しました。
「nEUROn」は無人戦闘機の実用化を目指して製作された機体で、敵に見つかりにくくするため垂直尾翼がありません。フランスの航空機メーカーダッソー社が中心となって開発を進めているヨーロッパ初のUCAV。ダッソー社の他、ヨーロッパ5ヶ国から5社が開発計画に参加しています。
この日「nEUROn」は、テストパイロット2人が地上から見守るなか25分間飛行しました。
「nEUROn」は2003年にフランスが立ち上げた無人戦闘機開発プロジェクトで、2030年ごろの欧州各国の空軍への導入を目指しています。4億600万ユーロ(約435億円)の開発費の半分をフランスが負担するほか、イタリア、スウェーデン、スペイン、スイス、ギリシャもこのプロジェクトを支援しています。
アメリカ国防総省は近く米国初の無人戦闘機製造の入札を行う予定ですが、現在のところ欧州には無人戦闘機を開発するだけの財政的余裕はありません。
こうした状況のなか、ダッソーは無人戦闘機の技術的ノウハウを維持するため、欧州の各国政府に新たな試作機製作への資金拠出を呼びかけています。
今回の「nEUROn」初飛行成功で、無人戦闘機の実用化が着実に前進したといえそうです。未来の戦争は、SFの世界のようなロボット戦争となるかもしれませんね。