13日、アサド政権による反政府デモへの弾圧が続くシリアで、新たに多数の兵士らが軍を離反したことを中東の衛星テレビ局アルジャジーラが報道しました。今回の報道では、300人近くが集団で離反したもようで、一度としては最大規模といいます。
そんな混乱状態にあるシリアで撮影された、シリア軍の装甲車をRPG(ロケットランチャー)でゲリラ的に攻撃する離反兵士の映像をご覧ください。
一見平和そうに見える映像ですが、掃除をしている男が、突然RPG(ロケットランチャー)を持ち出してきて構え、画面中央右にあるシリア軍の装甲車に向かって発射します。
ロイター通信によると、北部イドリブ県で13日、治安部隊の銃撃で住民ら17人が死亡、国軍を離反した兵士らが治安部隊の車列を襲撃し、隊員ら少なくとも7人が死亡するなど、現在もシリアは混乱状態にあります。
また、離反兵は1万人を超えたとみられており、国軍との戦闘がさらに激化し内戦状態に陥る可能性が出てきました。
さらに、シリアの反体制勢力の連合体、国民評議会の幹部はシリア軍を離反した軍人が組織する「自由シリア軍」と協力しアサド政権への抵抗を行うことで合意したことを明らかにしています。評議会が自由シリア軍の活動を認める代わりに、同軍は評議会を反政府勢力の「政治的な代表」と承認したといいます。
シリアの市街地戦の映像
つまり、体制側の勢力から離反した人々などが中心になった反体制側の勢力が出来上がっており、今後、ただでさえ混乱状態にある中東が、さらなる混乱に巻き込まれる可能性がありそうです。こらら一連の動きは「アラブの春」とも連動しているようで、中東ではさらなる民主化が進むかもしれません。