ソーシャルメディアが及ぼす人間への影響の研究によると、ソーシャルメディアの利用によって反社会的行動、ナルシズム(自己愛)などが増長される傾向にあることが分かりました。
またカリフォルニア州立大学で心理学を研究しているラリー・ローゼン教授が行った最近の調査では、10代の若者たちがフェイスブックを過剰利用することで、心理的疾患を引き起こす可能性があることを発見しました。
ラリー・ローゼン教授が10代の若者300人を対象に行った調査によるとフェイスブックを利用することの負の作用は次のようなものです。
1.フェイスブックを頻繁に利用する10代の若者はナルシズムが助長される
2.フェイスブックに強い影響を受けている10代の若者は反社会的行動、躁状態及び攻撃的になるなどの精神障害を患う
3.小学生~大学生までが15分に1回はフェイスブックを確認する
4.フェイスブックの過剰利用者は学生に必要な読書をしなくなる
しかし、フェイスブックの利用が悪い影響だけを及ぼすわけではありません。研究によるとフェイスブック利用者は”仮想共感”能力が高いことが分かりました。
普段、私たちは笑顔を向けたり好意的な態度をとるなどして他者に対して感情を合わせようとしますが、フェイスブック利用者の若者はフェイスブック上の友達と気分を盛り上げたり一緒に楽しむための能力、つまり”仮想共感”能力が高いといいます。さらに”仮想共感”能力の向上は現実世界の日常生活で他人と共感する能力へと応用することができるといいます。
今世紀に入って生み出された”仮想空間上での人間関係”は、人間にどのような影響を与えるか詳しく研究されていません。果たして、ソーシャルメディアは今後人々をどのように変えていくのでしょうか。