現在使われている多くのガジェットには電池が備え付けられていますが、その重さ、値段、形状などが製品のコストや軽量化のネックとなっています。しかし、今回開発されたスプレーでシュっと吹き付けるだけで電池になる「ペイント電池」は、あらゆる形状の部分も電池化できるといいます。まさにドラえもんの道具のような驚きの発明をご覧ください。
この発明を行ったのは、アメリカ・テキサス州ヒューストンにあるライス大学の研究者たち。数種類のスプレーを吹きかけるだけで、その部分がリチウムイオン電池となります。
そもそもリチウムイオン電池は、いくつかの層が重なり合い、それらが化学反応を起こすことで電気を発生させています。
今回研究チームが開発したスプレーは電極、セパレータ、集電体といった電池の構成する化学物質を液体状にしたもので、それを吹きかけて何層かにすることで電池としての機能をもたせるというものです。
研究チームによると、ガラス、ステンレス、タイルといったものの上にスプレーを吹きかけて電池化しましたが、全てが機能したとのこと。さらに性能が吹き付ける素材によって低下することもなかったといいます。
また性能については、9枚分の電池化したタイルで2.4ボルトの電気を6時間安定して供給し、40個の赤色LEDライトの点灯に成功したといいます。
あらゆる場所に吹きかけられて、さらに非常に軽量なこの電池。ガジェットの軽量化だけでなく、建物の壁などに吹きつければ建物自体を電池化することもできるかもしれませんね。