男子テニスのエイゴン選手権、シングルス決勝で17日、ダビド・ナルバンディアン(アルゼンチン)が暴力行為で失格になりました。今大会での賞金が放棄される上に、最大1万ドル(約79万円)の罰金が科せられる見込み。暴力を受けた線審は、出血してしまいました。
ナルバンディアンはマリン・チリッチ(クロアチア)相手に7─6、3─3とリードしていましたが、第2セットの第7ゲームでブレークされた後、線審の足元にある広告看板を蹴りあげました。割れた看板が線審のすねを直撃すると、線審は叫び声を上げて、流血した足を押さえました。
ナルバンディアンに退場を宣告したトム・バーンズ氏は、男子プロテニス協会(ATP)のトーナメント・スーパーバイザーとしての22年間で「線審がこのように流血したのは初めて」とコメント。ただし、「彼は線審をけがさせるつもりはなかった」と弁護しました。
ナルバンディアン本人は「自分がしたことは過ちだと分かっている。あのようなことをするつもりはなかったし、彼には申し訳なく思う。でも怒りを抑えられなくなる瞬間はある」と話しました。
ナルバンディアン「彼には申し訳なく思う。でも怒りを抑えられなくなる瞬間はある」
これまでに、審判への暴言によって失格になる選手もいましたが、暴力行為による失格は珍しいとのこと。ナルバンディアンは2002年にも線審への暴言で失格になっていました。