アップルのiPhoneを皮切りに急速に広がっているスマートフォンは、どこにいてもインターネットと繋がる世界を実現させつつあります。ところが、研究者によると数年後には雑務を自動で行ってくれるスマートフォンならぬスマートホームなる家が現実のものになるといいます。全てが自動で滞りなく行われるスマートホームとはいったいどのようなものなのでしょうか。
アメリカ・ワシントン州立大学で電気工学とコンピュータ科学の研究をしているダイアン・クック博士は、宿泊施設において食べ物を食べると電話が鳴ることによって高齢者が薬を飲み忘れないようにする技術の開発に取り組んできました。クック博士は、この技術を用いることで全ての家事が自動で行われるスマートホームを作ることができるといいます。また、この技術は今後10年以内に実現するといいます。
このスマートホームは、照明の点灯、窓の開け閉め、植木の水遣り、ペットのエサやりといった日常的に誰もが行っていることを、家が自動で行ってくれます。そのほかにも、顔認識機能によって誰がやって来たのかを感知し、最適な食品の選択や最適な風呂温度の選択までをやってくれます。このことによって高齢者や障害者でも、不自由することなく介護なしで生活することができるといいます。
さらにこのスマートホームは、使わない家電の電源を切ることで省エネを実現し、ガスコンロの消し忘れ、ストーブのつけっぱなしなどによる事故も未然に防ぎます。
クック博士は、ロボット、センサー、知的システムの進歩が、スマートホームの現実的なものにしているといいます。しかし、プライバシーの問題に関しては、克服しなければならない問題があるといいます。
SFのような話ですが、スマートホームは将来増加するであろう高齢者による社会の負担を減らすことができる技術でもあり、一番現実的な解決策ともいえます。増加する高齢者を人間だけが介護するには限界があるため、こういった技術が必要不可欠となりそうです。