インドには、さまざまな宗教があり、その中には一般人には理解できないような儀式が執り行われることもあります。今回ご紹介する高さ9mの寺院のバルコニーから司祭が赤ちゃんを投げる伝統の儀式もそんな1つだといえます。また、この儀式に対して近年「危険で野蛮な行為」として反対運動が起こっているといいます。
この儀式を収めた動画は、インド西部にあるマハーラーシュトラ州パルバニ県のHarangal村で行われているものです。儀式では、高さ9mの寺院のバルコニーから司祭が赤ちゃんを下に投げ落とし、それを布のシートでキャッチするというものです。
投げられた赤ちゃんの多くは泣き叫び嗚咽を上げていますが、この儀礼を通過することで赤ちゃんは、幸運、健康、繁栄などを手に入れることができるといいます。
儀式は数世紀前からインド全土で行われているといい、ヒンドゥー教、イスラム教の両方が行っています。
この過激な儀式に対して、権利団体はインド政府に儀式をやめさせるよう圧力をかけており、2011年には儀式が取りやめとなる事態に発展しました。しかし、2012年には再び儀式が再会され、今年の儀式は先週行われました。
伝統と子供の権利という難しい問題に直面しているこの過激が儀式。反対派は「これをやめさせるのは単に政府の仕事ではなく、我々は野蛮な儀式に参加している寺院、僧侶、信者を含める社会の再教育が必要だと考えている」と主張し、賛成派は「儀式は宗教的義務であり、儀式によって宗教的信念が引き出される」としています。両者の主張は、今後も平行線をたどりそうです。