マイケル・サンデルが講じる失われた民主的議論の技術

『これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学』などで有名な政治哲学者、ハーバード大学教授のマイケル・サンデルが民主主義は市民の議論によって成長することについて語ります。

もしフルートを人々に配る場合、最良のフルートはいったい誰に配られるべきなのだろうか？
足に障害があるゴルファーがゴルフをする際、カートを使用してコースを回ることは「ゴルフ」として認められるのだろうか？
同性婚の是非
などの問題を提示して「何かを決断、決定する際にその前提として社会制度の目的や活動のどのような性質が賞賛と評価の対象となるのかについて十分な議論がされた後でなければ正義についての議論をすることはできない」というアリストテレスの考えを用いて議論の下地となる部分の重要性を説いている。
そして、様々な議論をすることが不和を引き起こすため避けられているがそれは間違いであり、真正面から議論を重ねることによって互いに尊敬し合える関係を築きあげることができると主張します。