アメリカで初めての顔面移植患者「私の顔ではないが、顔があることに感謝しています」


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2008年にアメリカで初めて行われた顔面移植手術の患者が、コニー・カルプさん(48歳)です。彼女は、カッとなった夫のトムに至近距離から顔面を銃で撃たれ、口の上部、鼻、片目、両頬を破壊されてしまいました。オハイオ州出身の彼女は夫を愛していたため、夫が振るう家庭内暴力などについて話すことに決めました。夫のトム・カルプはこの事件によって刑務所に7年間入っていましたが先週釈放されました。

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(左)2008年の手術前 (右)現在

コニーさんは、銃で撃たれた瞬間のことをしっかりと覚えていると言います。


銃で撃たれる2004年以前のコニーさん

コニーさんは銃で撃たれるまでにも元夫に何度か殴られたことがあり、そのことについて元夫をなじっていたと言います。

「殴られたことは、その後に起こることへの警告でしたが、その時には銃で撃たれることは想像できませんでした。」と語ります。

このようなひどい仕打ちを受けたにも関わらず、コニーさんは元夫を愛しているといいます。

「彼は子供の父親だから、たぶん私は彼のことが好きになる」「しかし、私は彼をコントロールできません」と語りました。

バーで働いていたコニーさんが、客や従業員と仲良くするのに嫉妬した夫が散弾銃で彼女の顔を打ち抜きました。

そのあと、トムも口に銃を咥えて引き金を引き自殺を試みましたが、彼女と同様に一命を取り留めました。

2004年9月に銃で撃たれた後、損傷を回復させるため病院で数ヶ月過ごし、息子のスティーブンさん(30歳)と娘のアリシアさん(28歳)は必死に看病をしました。

その後、コニーさんは夫を慰めるために刑務所に訪問しました。夫を許すことを決意していた彼女でしたが、話し合いの末に今年5月に離婚し家も引っ越しました。


ピアノに座っているのがコニーさん、銃を構えているのが夫のトム、右でタバコをくわえているのが息子のスティーブン、左の女性がアリシア。1920年代風の写真

2008年10月に顔面移植手術待ちリストに登録された彼女は、わずか2ヶ月後の2008年12月10日に年齢や血液型が合うドナーが見つかり手術が行われました。ドナーは心臓発作で死亡しましたが、コニーさんに新しい顔を与えてくれました。


CTスキャンの写真。上顎骨や鼻、頬骨が砕けています

20時間以上の手術によって新しい顔を手に入れたコニーさんですが、身体の拒否反応を調べるために現在でも週に3回通院し、拒否反応の抑えるための薬を飲み続けています。

手術では、両頬の骨、上顎、歯、鼻などを再生させましたが、左目の視力はほとんどありません。


孫には最初「モンスター」と怖がられないか不安だったそうです


今は孫と遊び幸せを噛みしめています


彼女の顔面手術を担当した顔面移植外科医チャド・ゴードン博士


現在でも拒否反応を抑えるために複数の薬を毎日飲み続けている

現在コニーさんは”人を助ける”という目標のもと、臓器提供を促進する大使として活動しています。彼女の闘志は世界中から賞賛を得ています。

参照

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