全くの誤解からFBIに監視されることになった芸術家のハサン・エラヒ。FBIのエージェントから旅行をする際は逐一報告するように言われます。彼は言われたとおりに報告します…言われた以上に、いやいや、もっともっとそれ以上に。ユニークな方法で反撃に出たハサン・エラヒの体験をお聞きください。
旅行をすることが多いハサン・エラヒは、誤解によってFBIから監視されることとなってしまいました。最初は空港で捕まり、あれこれと尋問を受けました。その後も、FBIによる執拗な監視と尋問が続きました。
監視され続けるハサンは、身の潔白を証明するため旅行の際にFBIに電話をするようになりました。その電話はメールへと変わり、メールは長くなり、最後には旅のあれこれについてまで報告するようになりました。そしてとうとう自分の居場所を知らせるためのサイトを立ち上げました。このサイトでは、ハサンの足取りから搭乗した飛行機の機内食に至るまでさまざまな情報が公開されています。
そして、この日常生活の情報を連続して繋ぎ合わせたものを芸術作品としてしまいました。
これらの出来事からハサンは、膨大な情報を公開することでプライバシーを守ることになり、情報の価値そのものが変化するといいます。
相手の攻撃を逆手にとったハサンの見事な反撃ですが、この活動から情報のあり方が急速に変化していることがよく分かりますね。非常に面白い講演でした。