オーストラリア連邦領の島であるクリスマス島では、毎年恒例となっているアカガニの大量発生が今年も起こりました。
雨季(通常10月~11月)は、アカガニにとって産卵期であり、5000万匹以上の成体したアカガニたちが、森から産卵場所の海岸へ向けて行進を開始します。いたるところがカニによって真っ赤に染め上げられたクリスマス島の写真をご覧ください。
クリスマス島は、インド洋にあるオーストラリア連邦領の島です。西オーストラリア州、パースの北西2360km、インドネシア、ジャカルタの南500kmの南緯10度30分、東経105度40分に位置します。面積は 143km²で、その63%が国立公園になっており、熱帯雨林で覆われている自然豊かな場所です。
人口は1,493人で、1888年にイギリス領となり、1958年にオーストラリア領となりました。
このアカガニの行進は、島の全ての場所で同時に開始されます。まずオスが最初の移動を開始し、その後を追うようにメスたちの移動も開始されます。森から海に抜けるまでには、通常5日~7日間かかり、曇りや雨の天候ではその旅路は非常に厳しいものとなります。
アカガニの大行進のピーク時には、道路は封鎖されます。また、カニたちを保護するために道路の下には専用の地下道が作られており、国立公園の職員たちは仮設のフェンスや「カニ注意」の道路標識などによってカニを自動車などから守ります。
カニたちは海に出ると産卵します。孵化した子ガニたちは5ミリメートル程度に達する1ヵ月間を海で過ごします。その後、親ガニたちと森の中へ再び戻っていきます。
内陸部に到着した子ガニたちは、倒木や岩の間などで3年後の産卵の時期まで、そのまま森の中で暮らします。
このアカガニたちの大行進は、クリスマス島の観光名所となっています。