家電量販最大手のヤマダ電機が、同業で業界7位のベスト電器を買収する方針を固めたことが12日、明らかになりました。近くベストが実施する第三者割当増資をヤマダが引き受け、発行済み株式の過半数以上を持ち子会社とします。ヤマダとベストの売上高の合計は2兆円を超え、2位のビックカメラ・コジマ連合を大きく引き離すこととなります。
ヤマダはベスト株の7.5%を持つ第2位株主。保有分と、ベストによる第三者割当増資の引き受け分を合わせ、出資比率を50%以上に高めます。ベストはヤマダの連結子会社となった後も上場を維持し、店名も変更せずに営業を続けるといいます。
ベストは昨年3月の家電エコポイント制度の終了や、同7月の地上デジタル放送への移行に伴う駆け込み需要の反動で業績が低迷していました。今回の増資で調達した資金を、不採算店の閉鎖などリストラに充てるほか、ヤマダとの協業では、スケールメリットが効果的な仕入れを共同化してメーカーとの取引条件を改善するほか、物流網を効率化するなどの取り組みを進めます。
家電量販業界は薄型テレビの不振で業績の低迷が続いており、5位だったビックカメラが6月、7位だったコジマを子会社化し、合計の売上げ高が1兆円近い2位に浮上するなど、合従連衡の機運が高まっていました。ビックは現在、ベストに15%を出資する筆頭株主で業務提携していますが、ヤマダによるベスト買収で出資比率は低下、提携は解消に向かう見通しです。
ビックカメラ・コジマ連合に続く今回のヤマダのベスト買収も、提携することによる業務の効率化が狙いのようですね。このまま家電量販店業界の再編が進みそうです。
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